大家って実際何してるの？～空き家活用・賃貸の基本～

ん？どうしてそう思ったの？

いや、そんなことはないよ。実際、物件にまったく行ってない大家さんも多いし、遠方に住んでる人だってたくさんいるからね。

うん。大家業のスタイルには、大きく分けて2パターンあるんだけど……中でも、多くの人に選ばれている『管理委託型』なら、大家の“やること”はたった一つだけなんだよ。

まずは、大家の基本的なスタイルを説明するね。

ほとんどの大家さんは『管理委託』を選ぶよ。負担も少ないし、トラブルも減るからね。

そうだね。ちなみに日常管理や家賃集金等は自分で対応。入居者の募集仲介業務のみ管理会社（不動産会社）に頼むハイブリッド型もあるよ。

ただ、あれはもともと家族で大家業をやってきたベテランに多いパターン。初心者なら、まずは管理委託がおすすめかな。

よくあるところだと、たとえばこんなトラブルがあったとして……。

こういうトラブルの一次対応は、すべて管理会社がやってくれるよ。

そう。しかも、共用部分の清掃や設備メンテナンス、定期巡回、退去後の原状回復の段取りまで……かなり幅広く対応してくれるんだ。

だから、遠方に住んでる大家さんもたくさんいるんだよね。

うん。それが『意思決定』。大家の唯一にして、最も大事な仕事なんだ。

そう。大家として判断するテーマには、たとえばこんなものがあるんだけど……。

実務は管理会社がやってくれる。でも、『どうするか』の最終判断は、大家がする必要があるんだ。

そこは大丈夫。管理会社に相談すれば、提案やアドバイスをしてくれるからね。どうするか、ではなく、『どういうやり方があるか』の選択肢さえわかれば……。

相談が気軽にできて、プロの回答をもらえる。そこも管理委託のメリットなんだよ。

その通りだね。

これは相性の問題もあるから……。実際に相談してみて、対応が良かったところを選ぶのが一番だと思う。

うん。あるいは、信頼できる人から紹介してもらうのもいいね。より親身になってくれると思う。

僕の一意見としては、建物管理だけではなく、賃貸仲介も行っている不動産会社がおすすめかな。

管理専門の会社は、管理に対するノウハウや経験が豊富な良い面もあるんだ。ただ、物件案内や営業・クロージングの経験は少ないことが多い。でも賃貸の経験も豊富な会社なら、借りる側・貸す側どちらの目線もわかるよね。

現場のリアルなニーズに敏感だからこそ、入居者募集時にも、対応の際にも頼りになると思うよ。

あとは、管理料が安すぎる会社には注意が必要かもしれない。

まず、管理会社はその仕事上、24時間、365日対応が求められる場合がほとんどだということを念頭に置いてほしい。そのうえで、管理料の相場はだいたいこんなかんじなんだ。

この場合、区分所有で家賃7万円の物件だとどうなる？

この金額で365日対応するとなると……

そう。ただでさえカツカツなのに、さらに安い料金で手厚い管理は現実的に難しい。つまり、管理料を安くしすぎることは、質の低下を許容することにもつながるんだ。

安心して任せるためには、ある程度の管理料は考えておいた方がいいと思うよ。

やるべきことを『決める人』でいれば、あとは信頼できる管理会社に任せられるからね。

（笑）空き家は年々増え続けているから、機会はいずれ訪れるかもね。ただ……大切なことだから何度も言うけれど、実務は任せられるとしても、責任まで管理会社に丸投げすることはできない。最終的な責任は大家にあるからね。大家になるなら、そこはしっかり心がけておいてほしいな。