トラブルが起きたらどうしよう?大家ができる対策~空き家活用・賃貸の基本~

4月に「大家になる方法」を、5月に「大家が実際にしている仕事」を教えてもらって、だいぶ大家が身近に感じられるようになりましたけど……まだちょっと不安が残ってるんですよね……。

たとえば、どんなことが不安?

家賃滞納されたらどうしよう~とか、変な人が入ってきちゃったらどうしよう~とか……それこそ孤独死とかも増えてるって聞きますし……。

ああ、確かにそこはみんな気になるところだよね。だったら、今回はそういったトラブルの対応策を教えようか。

いいんですか!?たしかに、どう乗り越えるかを知っていれば、そんなに怖がらなくてもよさそう……教えて社長!

……というわけで!
今回は大家にまつわるトラブルや不安を解消できるよう、社長にリアルな対応策を聞いてきました!
知っておいて損はない情報が詰まっているので、ぜひ最後までご覧くださいね!

家賃が入ってこなかったらどうしよう?

真っ先に思いついたのはこれでしたね。

たしかに、家賃が入らないのは大家にとって死活問題だね。でも正直なところ、今は家賃保証会社との契約が一般化しているから……滞ることはほぼないよ。

たしかに、私も家を借りるときに契約したような……。どういう仕組みでしたっけ?

家賃保証会社と保証委託契約を借主に結んでもらう。そうすると、もし借主が家賃を払えない状態になったとしても、家賃保証会社が立て替えてくれる。つまり、大家に入ってくる家賃は滞らないんだ。

なるほど!保証委託契約さえあれば、大家さんがいきなり損をする心配はないんですね。立て替えってことは……あとから家賃保証会社が借主さんに請求するって感じですか?

そうだよ。昔は大家さんや管理会社が直接家賃を回収することもあったけど……保証会社を挟んだ方が家賃滞納のリスクも減るし、ややこしいやりとりも減る。だから、保証会社を使う大家さんが増えてるんだ。おかげで、借主へのメリットも増えたしね。

借主のメリット?

保証人がいない人でも、部屋を借りられるようになったりね。

たしかに!となると間口が広がるから……それこそ、貸主である大家さんにとってもメリットですね。

そう。今も家賃回収を含めて自主管理している大家さんも時々いらっしゃるけど、家主業が初めてなら家賃保証をおすすめするよ。

夜逃げ、孤独死……万が一のリスクはどうしよう?

ちょっと想像したくないですけど……夜逃げとか孤独死とか、そういうこともあるんですよね?

うん。だけど、そこもさっき紹介した家賃保証会社のプランによっては、法的に問題なく片づけてくれるサービスもあるんだよ。

片づけ、ですか?

夜逃げだと、荷物がそのまま残されていることもあるよね。それらの荷物の撤去や原状回復……孤独死の場合は、特殊清掃が必要な場合だってある。そういう事態に対処するための費用の一部が補償されるプランも有るよ。

なるほど……借主に契約してもらう保証内容も、ちゃんと考えておかないとですね。

入居者トラブルはどうしよう?

逆に、この人ちょっと困るな~……って入居者を入れてしまったときって、退去してもらうことはできるんですか?

そこは難しいね。借主と一度しっかりと交わした賃貸借契約を解除する、ということになるから……それこそ、正当な理由がなければ追い出すことはできないよ。

正当な理由?

そう、正当事由って言うんだけど……たとえば、この辺りがよく当てはまるかな。

【正当事由の例】
・家主自身が住まいを失い、その家に住まなければいけなくなった
・建物が老朽化しており、取り壊さなければ危ない状態になっている
・契約違反(住居専用として契約しているのに、民泊やサロンとして使用していた、など)

上記に当てはまるとしても、どの場合でも正当事由になり得るわけではないから注意して。僕が伝えたいのは、『なんとなく合わないから』とか『気に入らないから』とか……そういった大家の好き嫌いで入居者を立ち退かせることはできないってこと。

たしかに、逆の立場なら困りますね。あんま好きじゃないから出てってくれる?とか言われたら泣いちゃいますよ……。

泣いてないで弁護士に相談しようね(笑)

(笑)……でも、それってつまり、トラブルを起こす入居者の対応も難しいってことですよね……。

トラブルの度合いによると思うから、まずは弁護士への相談がおすすめかな。

不動産会社には相談できないんですか?

不動産会社(管理会社)でもある程度の対応は可能だけど、紛争解決は管理業務に含まれないし、不動産会社が動いたことで逆に紛争が膨らむリスクもある。トラブルの内容にもよるけど、深刻になる前に弁護士に相談する方がベターかな。非弁行為(※)になる恐れもあるしね。

非弁行為:弁護士のみに認められている行為を、弁護士以外の者が行うこと。

でも、弁護士のあてとかないし……。

だったら、市役所・区役所等の法律相談や民間総合調停センターなら、気軽かつ安心して相談しやすいと思うよ。

みんかんそうごうちょうていせんたー……?

民事の紛争解決をしてくれる公益社団法人だよ。サイトには実際の事例や解決に至るまでを紹介してるページもあるから、気になる人は覗いてみてね。

公益社団法人 民間総合調停センター
https://minkanchotei.or.jp/

結局一番困るのは……

家賃滞納、夜逃げや孤独死対応、それから入居者トラブル……この3つは特に気になってたので、具体的に何からはじめればいいのかがわかってちょっと安心しました。

それはよかった。……でも、実はね。現場ではもっと悩まれていることがあるんだよ。

えっ……この3つよりも大きな悩みなんてあるんですか?

あるよ。結局のところ……大家にとって一番つらいのは『空室』なんだ。

ああー!そりゃそうだ!

空室の場合は家賃収入ゼロ。でも、固定資産税や維持費はかかる。そうしているうちに周辺にどんどん新築物件が建ってしまえば、古い空き家は選ばれにくくなる。

放っておくほど、貸すのが難しくなるのか……悪循環だなあ……。

だから、『誰に、どんな用途で貸すか』を考えるのが大事なんだ。立地によっては、住居よりプライベートサロンなどの事業用として貸した方が安定するケースもあるしね。

そのあたりの相談こそ、不動産会社さんにおまかせ!ですね!

まかせて。プロとしてしっかりとアドバイスするよ。

今回のまとめ

・家賃滞納は、家賃保証会社との保証委託契約でカバーできる
・退去には正当事由が必要。感情では動かせない
・孤独死や夜逃げも、契約内容次第で補償対象
・一番のリスクは「空室」。気軽に相談できる不動産会社を探そう
・そもそも賃貸借契約書が無いのは論外!管理会社に相談を

リスクがゼロってわけではないけど……ちゃんと対策していれば、思っていたより安心できる気がしますね。

確認しておくことや、事柄によって相談する先が違うことをきちんと押さえておけば、トラブルの多くは未然に防げるし、いざってときにも動きやすくなるからね。

それでもやっぱり不安だよ~、もう全部任せちゃいたいよ~!って人は……?

残念だけど、家主に向いてないかもしれないね。借主からお金をもらっている以上、責任は受け取り手である家主に伴う。不動産会社は、困ったときに相談に乗ったり、こうしたらどう?って選択肢をお伝えすることはできるけど……最終的な決定を下すのは、大家の大切な仕事だからね。

リターンがあるってことは、責任もセットってことですね。肝に銘じます!

「それでもやってみたい」と思える人なら、きっと大家になれるはず。
ヒトツボでも無料相談を受け付けています。
今回の内容や、それ以外の不安や疑問をお持ちの方は、気軽にご相談くださいね!

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